そのような中で、執行役員において不祥事が生じた場合、監督機能の当然の流れとして、執行役員に対して懲罰的な処分として減給処分に付し、それをホームページ等に掲載し、株主を始めとしたステークホルダーにアピールするということが良く行われています。
当職がインターネット上の各企業のホームページで見る限りにおいても、10%から30%の減給処分等がよく行われているようです。
しかし、はたして執行役員について十分な理解がなされたうえで減給処分がなされているのか疑問な例も散見されます。
すなわち、執行役員と一口に言っても、その実態として労働基準法上の「労働者」として評価される場合には、「減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」(労働基準法91条)とされていることから、仮に10%を超える減給処分に付している場合には、当該減給処分自体が無効となるのみならず、30万円以下の罰金刑に処せられてしまうのです(労働基準法120条1号)。