こんにちは。
今回は、改正特定商取引法(訪問購入)に関し、売主たる消費者に対する勧誘をする前及び勧誘を開始する段階での訪問購入業者に対する規制内容を概観したいと思います。
1.購入業者の氏名等の明示義務(勧誘前)
購入業者は、訪問購入をしようとするときは、勧誘に先立ち、売主たる消費者に対し、以下の点を明らかにしなければなりません。
① 購入業者の氏名又は名称
② 売買契約の締結について勧誘する目的であること
③ 勧誘に係る物品の種類
この義務に違反した場合、行政処分(指示、業務停止)の対象となります。
購入業者としては、訪問に際し、身分証明書等を携行の上、物品の見積もりや査定だけを行うものであるとの誤解を生じさせないようにすることが肝要と考えられます。
2.勧誘の要請をしていない者に対する勧誘(不招請勧誘)の禁止等(勧誘前)
購入業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、営業所等以外の場所で勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはなりません。
購入業者としては、営業所等から訪問予定先に電話連絡するなどして、消費者に対し勧誘の要請を受けることが必要となります。
3.勧誘意思の確認義務(勧誘前)
購入業者は、訪問購入をしようとするときは、売主たる消費者に対して、勧誘を受ける意思があることを確認しなければならず、勧誘意思を確認しないまま、勧誘をしてはなりません。
なお、売主たる消費者から勧誘の要請がない場合、そもそも勧誘意思の確認ができないことから、この規制は、売主たる消費者から売買契約の締結についての勧誘の要請や、住居での契約申込み等の請求があったことが前提となります。
4.契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する再勧誘の禁止等(勧誘開始段階)
購入業者は、訪問購入に係る売買契約を締結しない旨の意思を示した売主たる消費者に対し、再勧誘をしてはなりません。
そのため、購入業者は、消費者から売買契約の締結を断られた時点で、これ以上勧誘を継続したり、別の担当者によって再度勧誘することはできなくなります。
次回も引き続き、訪問購入の規制内容について検討したいと思います。