こんにちは。
労災保険給付について、もう少しお話したいと思います。
業務上災害に基づく労災保険の給付の内容には、①療養補償給付、②休業補償給付、③障害補償給付、④遺族補償給付、⑤葬祭料、⑥傷病補償年金、⑦介護補償給付があります。
上記の給付内容のうち、主なものを説明すると、
① 療養補償給付:簡単にいえば治療費です。ただし、政府が必要と認めるものに限られます。
② 休業補償給付:業務上の負傷又は疾病のため労働することができず、賃金を得られない場合に、休業4日目から1日につき給付基礎日額の60%が支給されます。
③ 障害補償給付:業務上災害による傷病が治った後も障害が残った場合に、後遺障害の等級に応じて支給されます。
④ 遺族補償給付:労働者が業務災害により死亡した場合に、遺族に対して支給されます。
のとおりです。
上記の給付は、内容によって時効が異なります。①療養補償給付、②休業補償給付、⑤葬祭料、⑦介護補償給付の時効は2年ですが、③障害補償給付、④遺族補償給付の時効は5年です。
気をつけるとよいこととして、時効の起算点という問題があります。たとえば、①療養補償給付について、治療費の自己負担分は、長期間療養していても、現在からさかのぼって2年分までしか労災申請をして請求できないとされています。
これに対し、③障害補償給付請求権の消滅時効は、業務上災害による傷病の症状が固定し、かつ、その傷病の業務起因性が認識可能となったときから進行するという裁判例があります。