こんにちは。
 今日は、前回に続いて、公益法人制度についてお話していきたいと思います。
 (前回の記事はこちら:公益法人制度・1

 前回、これまでの公益法人とは、①公益を目的とする事業を行うこと、②営利を目的としないこと、③主務官庁の許可を得ることの要件を満たすことが必要でしたが、公益法人制度の見直しによって、要件を満たせば、登記のみで一般社団・財団法人が容易に設立でき、一般社団法人・財団法人のうち、明確に定められた基準による公益認定を民間有識者が行うことになったとお話しました。

 では、すでに設立されている民法上の公益法人は一体どうなるのでしょうか。
 すでに設立されている民法上の公益法人は、平成20年12月1日の新制度施行後5年間は特段の手続をとることなく、従来と同様の法人(特例民法法人)として存続できます。ただし、平成25年11月末日の移行期間終了までに公益社団・財団法人か一般社団・財団法人のいずれかに移行しなければ、解散したものとみなされてしまいます。また、移行期間の終了までに移行申請を行ったが、移行期間の終了までに公益社団・財団法人の認定または公益社団・財団法人の認可が得られなかった場合も、解散したものとみなされてしまいます。

A 公益社団・財団法人への移行

公益社団・財団法人へ移行する場合の認定基準は、
 ・公益目的事業比率が、(費用で計って)50/100以上
 ・経理的基礎及び技術的能力を有すること
 ・法人関係者に特別の利益を与えないものであること 
等です。

B 一般社団・財団法人への移行

一般社団・財団法人へ移行する場合の認可基準は、
 ・法人の作成した公益目的支出計画について、その計画が適正であり、かつ確実に実施されると見込まれるものであること
等です。

 特例民法法人が通常の一般社団・財団法人に移行するにあたっても認可を必要とされる理由は、従来、公益法人が寄付や税制優遇を受け、その財団を形成してきたことから、そのような公益的性格を有する財産が、法人自治に委ねられる通常の一般社団・財団法人によって、無制限に公益目的以外に費消されることは適当でないと考えられるためです。

 次回は、この「公益目的支出計画」のお話から続けたいと思います。