1 ビジョナリ―カンパニー2飛躍の法則
私が好きなビジネス書の名著に「ビジョナリ―カンパニー2飛躍の法則」という本があります。
これは、弁護士法人ALGの皆さんには是非読んでほしい本です。特に、所属弁護士にはできれば全員に読んでもらいたい。私は数多くのビジネス書を読んできましたが、是非お薦めする名著です。
この本では、適切な人材を確保することの重要性を強調しています。
「ビジョナリ―カンパニー」というタイトルですけど、ビジョンよりも何よりも適切な人材をバスに乗せることを重視しています。
著者によると、適切な人材をバスに乗せることが先で、目的地は後からでよいそうです。
普通は逆ですよね。まず目的地(会社の目指す方向性。ビジョンと言ってもよいでしょう)を決めてから、その目的地に到達するために人材を選ぶはずです。
しかし、著者によると、適切な人材を選べば、おのずと最適の目的地が選択されるということです。
最適な人材にとっては、報酬でさえ重要なインセンティブではないそうです。適切な人材にとっては、その企業を偉大にすることが最も重要関心事だからです。著者の言葉を引用すれば、
「報酬のために努力するのではなく、偉大だといえない状況には満足できないから努力する」
ということになります。
う~ん、羨ましいですね。そんな人材に恵まれれば…。
2 適切な人材選びのポイント
著者の説くところによれば、適切な人材選びには、実際的な方法がいくつかあるようです。
その第1のポイントは、”疑問があれば採用せず、人材を探し続ける”ことです。
なるほど、私にも心当たりがあります。その人材に疑問があっても、とにかく人が足りないということで採用することがあります。そして、多くの場合、このような採用をすると、大概後で後悔する羽目になります。簡単なようでなかなかできないことです。
第2のポイントは、”人を入れ換える必要があることがわかれば、行動する”ことです。
これも私としては耳が痛いです。採用で失敗した、この人材は使えない!ということがわかっても、なかなか行動に移せないものです。職業柄、労働基準法に違反する行動には躊躇を覚えるので、なかなか肩をたたけない…。この人物はだめだと分かっていながら、長期間放置してしまいます。やっとのことでバスから降ろすことができても、他の職員は「もっと早く手を打てばよかったのに…」と思っている。皆さん、そんな経験ありませんか?
第3のポイントは、”最高の機会の追求にあて、最大の問題の解決にはあてない”ことです。
これも重要なポイントだと思います。確かに、最大の問題の解決も会社にとって大事なことです。放置していいわけではない。しかし、組織の人材は有限です。全ての人材が素晴らしいわけではありません。そうすると、最高の機会の追求と最大の問題の解決と、どちらに最高の人材を充てるかという問題にぶつかるわけですが、その場合著者は、前者にあてることを優先すべきだと主張しているわけです。
皆さん、この3つのポイント、実践できていますか?
私も弁護士法人ALGを偉大な法律事務所にするために、適切な人材をバスに乗せ、不適切な人材を速やかにバスから降ろすように頑張りたいと思います。そして、一流の人材を最高の機会の追求にあてたいと思います。