弁護士 片山雅也

 

今回も非公開会社を前提に、新株予約権(4)に引き続いて、新株予約権についてご説明したいと思います。今回は、新株予約権の行使条件の委任関係について、ご説明したいと思います。

 

新株予約権を、ストック・オプションとして発行した場合、会社に貢献してもらうことを前提にすることが多いため、会社を退職した場合には行使できなくなるとしておく等、様々な行使条件を付しておきたいというニーズがあります。

 

このような行使条件につきましては、従来、例えば、「その他の権利行使の条件は当社取締役会が決定する。」等と定め、株主総会から取締役会へ委任していました。

 

また、会社法下でも、新株予約権に関する行使条件は、新株予約権の内容として明示的に規定されておりません。

 

そのため、会社法下でも、従来と同じように、「その他の権利行使の条件は当社取締役会が決定する。」等と定め、取締役会への委任形式で、登記を行おうとする場合も見受けられました。

 

しかし、現在では、上記のような形式で取締役会へ委任することは不可能と判断される可能性が高く、このような内容では登記申請が受理されない可能性も高いと考えられるため、注意が必要です。

 

その理由としては、新株予約権の行使条件は、上記のとおり、会社法上は明示的には新株予約権の内容として規定されていないのですが、新株予約権の内容と解釈されることが一般的になったことが挙げられます。

 

そうすると、前回ご説明した原則論に戻ることになり、新株予約権の内容は株主総会で決議する必要があり、当該内容を取締役会へ委任することはできないと考えられている以上、新株予約権の内容として解釈されている新株予約権の行使条件も取締役会へ委任することはできないというように解釈されることになります。

 

以上