現在の法制度上は、対象企業が公正取引委員会が下した行政処分に不服があるときには、審判制度を利用する仕組みになっております。
いきなり裁判を始めるのではなく、まずは審判制度を利用して不服申立を行うことになっているわけです。
しかし、この審判において判断するのは「公取委」なんですね。
公取委は、ご承知の通り、司法機関ではありません。
そして、自ら行政処分を下した公取委が、審判においても判断する…。これって、本当に機能するのかという疑問が当然出てきます。要するに、身内の判断の適否を身内がやるわけですから…。
これでは取り締まられた企業側の不服申立を公正に裁くのは困難なのではないか、そんな疑問から政府は、公取委による審判制度を廃止する方針を固めたようです。
現在の審判機能は、司法機関である裁判所に移管する方針です。
まあ、これが骨子なんですが、企業側の弁護士として仕事がしやすくなる制度も新設されるようです。
具体的には、公取委が対象企業に違法行為がないかどうか立ち入り調査をする際に、企業側の弁護士が立ち会うことを認める制度の新設です。
この政府方針がどのようなスケジュールで立法化されるのか、その詳細はまだわかりません。詳細が分かり次第、このブログでもまた取り上げたいと思います。