1.婚活ビジネスはご盛況?

 婚活がテレビドラマでも話題になり、また、不景気も手伝って、就職活動よりも「婚活」に力を入れている人が最近増えているのではないでしょうか。

 婚活の具体的な方法としては、合コンやいわゆる結婚相談所を利用することが一般的ですが、ここではビジネスと法規制がテーマですので、後者の結婚相談所と法規制について書きたいと思います。合コンに興味のある方も少なくないと思いますが、残念ながら私の専門分野ではありません。

 また、このブログは、あくまでも企業法務のブログですから、婚活に励まれている方のために書かれたものではなく、結婚相談所の経営者の方のために書かれたものであることをご承知ください。

2.結婚相談ビジネスへの規制広がる

 「婚活ブーム」は一見すると結婚相談ビジネスにとって追い風のようですが、実は、規制が広がっています。
 では、どのように規制が広がっているのか、時系列で見てみましょう。

2004年結婚相談サービスが特定商取引法の対象業種に加えられた。
その結果、契約書の交付義務、不適切な勧誘行為の禁止、クーリング・オフ、中途解約時の損害賠償額の制限等の規制が適用されることになった。
2005年個人情報保護法が施行される。結婚相談ビジネスは、当然、顧客のプライバシー情報を扱うビジネスなので、対応を迫られる。
2008年大手の結婚相談所を中心とした業界団体「結婚相手紹介サービス業界(MISA)」が立ち上がった。
サービスの利用者に対する不信感の払拭に取り組む。

 このような動きの背景には、結婚相談所と顧客との間のトラブルの増加があるようです。

 国民生活センターの発表によると、結婚相談所のサービスについて寄せられた苦情や相談は、2008年で3099件あったそうです。
 トラブルの内容は、料金体系、サービス内容、不明瞭な契約内容等に関するものが多いようです。

3.コンプライアンスに向けた体制強化を!

 結婚相談所の利用については、従来様々な偏見やマイナスなイメージがあったと思います。
 つまり、なかなか結婚相手が見つからない人が利用するのではないかとか、婚期を逃し焦っている人が利用しているのではないか、という偏見です。
 しかし、婚活ブームは、このような偏見を緩和し、結婚相談所を利用することについての抵抗感を和らげたと思います。その意味では、結婚相談ビジネスにとっては、追い風なのは間違いないでしょう。

 しかし、同時に苦情やトラブルが増加しているのも事実です。せっかくの追い風なのですから、この機会に顧問弁護士との関係も強化してコンプライアンスに向けた社内体制構築を怠らないようにしてください。