こんにちは。長谷川です。
6月も後半になりましたね。
毎日ジメジメと不快な季節ですが、私は、毎日色々と小さい楽しみを自分にあげて、いわば「鼻先ニンジン」の状態で、日々、何とか不快を乗り越えています。
さて、この梅雨があけるといよいよ夏です!
今年の夏は、法律の世界でもちょっと大きな(?私が思うだけ?)動きがあります。ウイーン売買条約が2009年8月1日に発効するんです。
締約国間では、この条約により、国際取引における準拠法の不安定さ・不確実さが一定程度解消されるわけです。これって、結構、画期的!(?私が思うだけ?)
なので、今日から、何回かにわけてこの条約について書いていきますね。(といっても、私の担当日が隔週水曜日だから、かな~り遅い進行になってしまうんですが。。。)
で、今日は、総論です。
まず、ウイーン売買条約の正式名称は「国際物品売買契約に関する国際連合条約」(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods)です。
1988年1月1日に発効して以来、締約国が増えていって、2008年1月現在では、70ヶ国に及びます。
日本の会社と取引きが多い中国や韓国、アメリカ、オーストラリアなんかも締約国です。
で、超ざっくりとポイントを言うと、次の3点かと思います。
① この条約は、国際物品売買契約に関して、(ア)契約の成立と、(イ)当事者の権利義務について規定しています。
←つまり、民法や商法とは違う基準で契約の成否や当事者の権利義務を考えるってことです。
特に、契約の成立に関しては詳細に規定しています。これだけでも、ちょっと好奇心刺激されてテンション上がりますよね。(?私が思うだけ?)
② ア 異なる締約国に営業所を有する企業間の物品売買契約に適用される。
←つまり締約国である外国の会社と売買取引したら、別の合意がない限り、自動的に本条約が適用されるんです。
イ 締約国と非締約国間の物品売買契約の場合、国際私法の準則に従うと締約国の法律が準拠法となる場合には、原則として本条約が適用されます。
←つまり、たとえ非締約国との取引でも、通則法なんかに従って準拠法を決定したところ、日本法が準拠法であるということになると、本条約が適用されるわけです。
③ 個人用等に購入された物品の売買や、競り売買、強制執行に基づく売買、有価証券等の売買、船舶・航空機の売買、電気の売買等には適用されません。
←企業間の普通の商品の売買に限るってことですね。
超ざっくりなポイントだけ上げてみましたが、特に大事なのは、①及び②ですよね。
海外の会社と取引きのある会社さん、要チェックですよ~。
きちんと条約をチェックして、適用したくない条項については、売買契約書の中で適用除外を確認しておかないと、本条約が自動的に適用されるってことになってしまいますから。
ということで、次回からは、①の内容について、少し詳しく触れていきますね。(多分。。。私の気が変わらなければ。。。)
弁護士 長谷川桃