中国の債権回収における紛争解決ノウハウ ②
―――地方保護主義への対策

 中国での裁判では、残念ながら、上海、北京など一部の地方を除いて、地方保護を理由にして、色んな利益集団は裁判所に圧力をかけ、結果的に裁判官は独立に裁判できず、いわゆる”自由裁量権”を乱用するケースが多発しております。裁判する際、外資企業のみならず、外地企業も地元企業になかなか勝てないのが現状であります。

 中国民事訴訟法25条の規定に従って、管轄裁判所を指定することによって、地方保護主義の対策に講じることができます。

 契約当事者は協議により、以下の場所の裁判所は指定管轄裁判所として指定することができます。1.被告所在地、2.契約履行地、3.契約締結地、4.原告所在地、5.対象物所在地(民事訴訟法25条)。

 民事訴訟法25条の規定を利用して、地方主義の傾向が少なくてかつ比較的に公平だと思われる地域、たとえば北京や上海などで契約を締結した上で、契約締結地の裁判所を管轄裁判所として指定し、地方保護主義の影響を排除することができます。

著者プロフィール
 宋煒 、経営学博士(横浜国立大学卒)、中国弁護士、2002年から日系企業の経営・法律の顧問を担当しています。 2006年、中国司法省認定の全国優秀弁護士事務所である (イコウ)弁護士事務所に入り、2007年、中国弁護士資格を取得し、2008年、日中弁護士事務所の戦略提携により、弁護士法人ALGに移動しました。