先日、「弁護士さんとお会いするのは初めてです」とおっしゃる方とお話をする機会がありました。
その方のおっしゃるには、「弁護士さんに相談したいと思うことは時々あるけれど、なんとなくそのまま流してしまってるんですけど・・・、いまのところおおごとにはなってないし、いいですよね?」とのことでした。
確かに、弁護士に相談する事項についてイメージがわかないとか、紛争でも起きない限り弁護士を依頼しないというタイプの方々もいらっしゃるかと想像されます。
ただ、特に何らかの経済活動(会社経営・勤務、商取引、株式売買等)を継続的に行っている方については、法律顧問としての弁護士に常時相談できる環境を維持しておくことが重要です。
理由としては、主に以下の点が挙げられます。
(1) 法的紛争を未然に防止すること自体が、会社・事業に対する信用を維持し事業を継続する上で不可欠であること
特に、会社や事業の規模が大きく知名度が高い場合には、法的な紛争が顕在化すると、それだけで会社の信用を大きく損なってしまい、その後の事業展開自体が困難になってしまいます。不祥事が発覚した大手(老舗)の会社が、時間をおかずして破綻に追い込まれるケースはままあります。食品偽装が発覚した会社や、新興IT企業の破綻などが、近年記憶に新しいところです。
このような事態に至る前に、会社・事業の現状について、こまめに法律顧問に相談し、法律的な見地から問題がないかについて的確に現状を把握することが重要です。
(2) 特に経営者の方々については、従業員の行った行為について、刑事罰を伴う重大な法的責任を問われること
特に自分がトップで会社経営をされている方の場合には、業務上従業員が行った行為に対して刑事責任が問われる場合がありますので、注意が必要です。特に従業員が取引先などの第三者との間で行う業務については、法令遵守(コンプライアンス)を徹底することが、経営者の方々の立場を守るために決定的に重要です。