1.景品表示法の改正

 平成25年秋に食品に関する偽装表示問題が相次いで発覚したことを契機に、このような不当表示を防止すべく、「不当景品類及び不当表示防止法」(以下、「景表法」といいます。)が改正され、平成28年4月1日より不当表示を行った事業者に対する課徴金制度が新たに導入されました。今回は、この課徴金制度についてご紹介致します。

2.「ばれてから対応すればよい」という風潮の是正へ

 まず、課徴金の対象となる行為は、優良誤認表示(商品・サービスの品質や規格、その他の内容について、実際よりも著しく優良であると誤認される表示)と有利誤認表示(商品・サービスの品質や規格などが競争事業者のものよりも有利であると誤認される表示)であり、事業者がこれらの行為を行った場合、事業者に対して、内閣総理大臣(消費者庁長官)から課徴金の納付命令が発せられることとなります。

 従来の景表法においては、これまでも、事業者が優良誤認表示、有利誤認表示等の不当表示を行った場合には、内閣総理大臣の措置命令、命令違反に対する軽い刑罰等の是正措置が定められていましたが、いずれも違反行為を事後的に是正する点に焦点が置かれていたといえます。そのため、食品業界において「ばれてから対応すればよい」という風潮がなきにしもあらずという状況だったといえます。

3.課徴金額は売上額に連動

 このような風潮を是正するために今回導入される課徴金制度は、違反行為を事後的に是正するだけではなく、違反行為に対して経済的な制裁を行う趣旨のものといえます。この課徴金の金額については、原則として、課徴金対象期間の総売上額から一定費目を控除する方法により算出されますので、違反行為を行った期間の売上額に応じて課徴金の額も大きくなります。それゆえビジネス戦略上も決して軽視できないものですので、とりわけ今後は、優良誤認表示・有利誤認表示等の不当表示を行わないよう注意をする必要があります。

4.課徴金が減額または免除できる場合

 もっとも、今回の改正法においては、課徴金額を減額又は免除する方法も定められております。課徴金対象行為をしてしまった事業者が、定められた様式により消費者庁長官に報告書を提出することで課徴金納付額を50%減額することができます。

 また、内閣府告示の指針に従った事前のレビュー体制をとっていたことや違反とあらかじめ気づくことができなかった理由を合理的に説明できる場合等「相当の注意を怠ったものではない」と認められる場合、あるいは、売上額が5000万円未満の場合等、一定の場合にはそもそも課徴金が賦課されない場合もありますので、課徴金対象行為をしてしまった場合でも、専門家に相談の上、課徴金を減額または免除できないか模索してみることも必要と考えられます。

 なお、課徴金を導入する改正景表法は平成28年4月1日に施行されるため、課徴金の対象とされる行為も同日以後になされた行為に限られ、それ以前の行 為については対象となりません。