「少年法の一部を改正する法律」が、2014年4月11日、参議院で可決され、成立しました(同月18日公布)。改正の骨子は以下の通りです。

①国選付添人制度の対象事件を、被疑者国選対象事件と同一の範囲(長期3年を超える懲役・禁錮の罪)の事件に拡大。

②検察官関与の対象事件も同一の範囲まで拡大。

③刑事裁判に付された少年に対する有期懲役・禁固刑の上限を引き上げる。

国選付添人の対象事件を被疑者国選の対象範囲まで拡大されたという点だけ見ると、それだけ少年の人権保障が厚くなったと評価することも可能です。

しかし、検察官関与の対象事件と足並み揃えた拡大なので、実質は少年に厳しい改正だと思います。

雀の涙のような国選の報酬で、どこまで国選付添人が少年のために有効な活動をできるのか疑問だからです。
つまり、成人の刑事事件における国選弁護人と何が違うのか、ということです。

しかし、検察官は違います。

国家の威信と担当検事のメンツにかけて、しっかり関与してきます。
それに加え、少年に対する刑罰の上限引き上げも併せて考えると、やっぱりこれまでの少年法改正と同様に、厳罰化傾向が読み取れます。