本日は傷害罪についてお話したいと思います。
 傷害罪は、人の身体を傷害した場合に成立します。そして、「傷害した」といえるためには、判例において、生理機能の侵害が要求されています。
 例えば、打撲や擦過傷(擦り傷)などを思い浮かべていただけると分かりやすいかと思います。

 一般的に傷害罪というと手拳で殴打したりするなど、物理的な暴行をイメージされる方が多いと思いますが、法文上は「人の身体を傷害」した場合に成立するとの規定であって、必ずしも暴行を用いらなくとも傷害罪は成立します。

 例えば、嫌がらせ電話を繰り返すなどして精神衰弱症にした場合や声その他の音を発することなどの威嚇的動作を行ったことにより不安・抑うつ状態に陥れた場合等にも傷害罪は成立します。
 自宅から大音量の音楽を流し続け、隣人に体調不良を起こさせた事件などもみなさんの記憶にあるかと思います。

 もっとも、無形的方法によって傷害罪が成立するためには、そのような無形的方法と傷害結果との間に因果関係が必要とはなります。
 具体的な事案ごとに因果関係が問題となることが多く、被害に遭ったとしても泣き寝入りを余儀なくされることもあります。

 弊所では、被害に遭われた皆様の刑事告訴等のお手伝いも行っておりますので、お困りごとがございましたら弁護士法人ALG&Associatesまでご相談ください。

弁護士 合田 恵介