未成年者の犯罪等については、少年法の適用を受け、成人のそれとは異なる手続きで処理されることとなります。そこでは、少年事件ならではの特色ある仕組みが設けられています。そのような、少年事件の特色について、いくつか触れようと思います。
少年事件は、管轄する裁判所が家庭裁判所です。捜査機関は、未成年者に対し犯罪の嫌疑ありと考える場合は、原則事件すべてを家庭裁判所に送致しなければなりません(全件送致主義)。
家裁への送致に先立ち、捜査機関による捜査があります。捜査に際し、成人の事件の場合には在宅での捜査と勾留とがありますが、少年事件についてはそれらに加えて勾留に代わる観護措置というものもあります。いわゆる鑑別所送りです。勾留に代わる観護措置については、期間が最大10日間であり、最大20日間の勾留より未成年者の負担が少ないので、捜査段階での身柄拘束が避けられないのであれば、こちらの方がいいでしょう。
観護措置は、未成年者の身柄を保全した上で、適正な審判の実施のための資料収集を行なうために採られるものです。上記の勾留に代わる観護措置のほかに、家裁送致後も観護措置が取られることがあり得ます。いわゆる鑑別所送りその2です。家裁送致後の観護措置は、原則2週間で更新は1回、最長4週間まであり得ます。
捜査機関による捜査、家裁送致後の調査を経て、対象未成年者に対し審判に付すかどうかの判断がなされます。審判に付すことが不可・不相当と判断される場合は、審判不開始となります。
審判に付された場合は、その結果としては、終局決定として不処分、保護処分、都道府県知事又は児童相談所長送致、検察官送致(「逆送」とも呼ばれます。)が、中間決定として試験観察が、あります。