衆議院の解散を確約しなかったら採決しない、と自民党が言い出したとか…。
この話をテレビのニュースで聴いて、やっぱり自民党はケンカ上手だなあ、って思いました。
ボクは、この展開を当初から自民党が目論んでいた”後出しじゃんけん”だとにらんでいます。
自民党は、政策面では政治のド素人だと思いますが、政治的駆け引きではやっぱりプロです。
でも、「政治のプロ=政治的駆け引きのプロ」とは定義したくない…。
会社の中で、社員がみんな社内政治に奔走したら、確実にその会社は潰れると思います。それと同じで、政治家が政策そっちのけで”政局”に走っていたら、国政は渋滞します。
自民党の心変わりは、「政治的状況が変わった」というのが理由だそうです。
これに対して、民主党が採れる対策は理論的に2つ。
1つは、自民党の要求を受け入れて、衆議院の解散を確約する。
もう1つは、自民党の要求を退ける。
自民党の要求を受け入れた場合、その後の展開も2つの選択肢に分かれます。
1つは、自民党の要求通り解散する。もう1つは、約束を反故にする。この場合、後者の戦略のほうが優れていると思います。今解散すれば、民主党が選挙で負けるのは必定。ならば、約束を反故にした上で、自民党と同じように、「政治状況が変わった」と言い訳すればいい。自民党にハシゴをはずされたんだから、ハシゴをはずしかえしても、お互い様です。
ただ、解散の確約を反故にすれば、世論からはかなり批判されるでしょうね。
次に、自民党の要求を退けて、衆議院の解散の確約をしないという選択肢を採用した場合も、その後の展開は2つに分かれます。
1つは、消費税の法案は通らないという展開。もう1つは、自民党が妥協策として、別の提案をしてくるという展開。ボクは、前者よりも後者の可能性のほうが高いのではないかと思っています。なぜなら、消費税法案が可決できなかったら、自民党の顔も潰れるからです。
でも、ボクは前者のほうが民主党には、幸いだと思います。なぜなら、国民の多くは消費税増税に反対なので消費税法案が廃案となっても民主党が強く非難されるとは思えないし、また、仮に消費税法案が廃案となったために国家財政が破綻すれば自民党のせいにできるからです。
だからと言って、民主党の支持率が上がるとも思えませんけど…。
結局、この問題でまた”漁夫の利”を得るのは橋下さんでしょうね。