1 自賠責保険・共済紛争処理機構とは?
自賠責保険・共済紛争処理機構とは、自賠責保険・共済の保険金又は共済金の支払いで、被害者や保険・共済の加入者と保険会社・共済組合との間で生じた紛争に対して、適切な解決を目指して調停を行う機関です。
自賠責保険・共済の決定に対して異議がある場合には、当該保険会社・共済組合に対して、何回でも異議申立を行うことができますが、自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請は、1回しか行うことができず、調停結果に納得できない場合には、訴訟を提起する必要があります。
したがって、自賠責保険・共済の決定に対して異議がある場合には、まず、保険会社・共済組合に対する異議申立を検討するのが良いでしょう。
2 自賠責保険・共済紛争処理機構の審査方法・対象など
自賠責保険・共済紛争処理機構の調停は、専門的知見を有する紛争処理委員が、自賠責保険・共済の決定の妥当性について、審査を行います。同審査は、「調停」ということになっていますが、一般の民事調停とは異なり、書面審査の手続きが行われます。審査期間としては、紛争処理申請の受理がなされてから、平均3~4カ月程度かかるようです。
紛争処理申請の対象としては、①過失の有無及び過失割合に関すること②後遺障害の等級に関すること③交通事故との因果関係に関すること④その他(治療費の一部しか認めてもらえなかったケース等)があげられます。
必要書類については、自賠責保険・共済紛争処理機構のホームページ上で確認できますが、診断書、診療報酬明細書等既に自賠責保険・共済に提出しているものを重複して出す必要はありません(画像については、CD-R等で提出する必要があります)。
自賠責保険・共済の決定に不服があるという方は、一度ご相談下さい。