皆さんこんにちは。

 これから交通事故のブログということで、交通事故について書いて行きたいと思います。今回は後遺症としてのRSDについて検討して行きたいと思います。

 でも、そもそもRSDって何だ!?っていう人も多いのではないでしょうか。

RSDとは、反射性交感神経性ジストロフィーを略したものをいい、交感神経の異常な反射亢進を基盤とする疼痛、腫脹、関節拘縮などを主徴とする病態であるといわれています。ただ、このような病態であることからもわかるとおり、PTSDと同じように目に見えにくい後遺障害の一つといわれてます。

 それでは、交通事故を契機としてなぜこのような病態が発現してしまうのでしょうか。交通事故にあったときのように人間が外傷を受けると、交感神経反射が起こり、出血を止めたりするために血管は収縮します。ただ、外傷が治癒すると反射は喪失します。

 ところが、RSDの患者は、外傷が治癒した後も何らかの理由で、この反射が消失せずに働き続け、交感神経の亢進状態が続くことになります。このため、血管の収縮が継続し、局所を虚血状態にし、痛みとなって悪循環を形成し、RSDを発症すると言われています。

 ただ、このようなRSD発症について、その他の発生メカニズムとして広作動域ニューロン説、関門制御機構説、人工シナプス説、ノイロキノン説、α受容体の新生説などがあります。したがって、上記のRSDの発生メカニズムも、あくまで一般的に言われているものに過ぎないものということがいえます。

 上記のような一般的なRSD発症のメカニズムを前提にすると、交感神経の異常な亢進状態が問題であるのだから、RSDの患者に対しては、交感神経ブロックが有効であると考えられています。しかし、交感神経ブロックを行っても効果がないという症例が現れ、交感神経が関与していない痛みが存在することが明らかになってきました。そこで、同じような症状を呈する疾患を複合性局所疼痛症候群(CRPS)と呼ぶことが提案されました。

 このように、RSDについては、発生のメカニズムに他説も多くあるところであり、一般的な発生メカニズムでは説明しにくい症例も現れています。しかし、CRPSの多くが、異常な交感神経反射が原因となっており、RSDという名称が一般の整形外科医に浸透してきた段階といわれています。

 そこで、私の書くブログでもRSDという用語を用いていきたいと思います。次回からは、RSDについての症状、診断基準、交通事故実務における取扱等をより具体的に検討して行きたいと思います。

 それでは、また。

参考文献:民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準下巻(講演録編)2006年(平成18年)財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部「RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)について」(髙取真理子裁判官著)

弁護士 福永聡