弁護士費用特約を利用する際の注意点

　皆さんは、自動車保険に加入していますか？万が一、事故を起こして加害者になってしまったときに活躍する自動車保険ですが、被害者になってしまったときにも利用できる保険がいくつかあるのです。今日は、そのような保険の内の一つ、弁護士費用特約についてご説明したいと思います。

１　弁護士費用特約とは

　弁護士費用特約とは、自動車保険にオプションとしてついている特約の一つです。加入している保険会社によって様々な呼称がありますが、役割はどれも同じです。その役割とはズバリ、弁護士費用（交通事故の損害賠償請求に際して弁護士に対して法律相談をした場合の相談費用や、事案解決を依頼した場合の着手金、成功報酬など）を加入者の代わりに支払う、というものです。

　交通事故の賠償請求を自分で全て行う場合、かなりの労力を伴いますし、結局日々交通事故事件の処理に関わってきた交渉のプロでもある保険会社の人にいいように言われて低い金額で示談、という結果になりかねません。だからこそ、弁護士に依頼して賠償額の交渉を代わりにやってもらう意義があるのですが、弁護士を頼むには当然それなりの費用がかかってしまいます。
　特に、乗っていた車が少し壊れた位の軽微な物損事故などでしたら、弁護士を頼むことでかえって赤字になってしまい、示談金額に不満があるにも関わらず、弁護士に交渉を頼めないという事態も少なくありません。

　そこで活躍するのが弁護士費用特約です。弁護士費用特約を利用することで、弁護士費用は自分の保険会社に支払っていただけますから、基本的には、費用面の心配をすることなく弁護士を頼むことができ、軽微な物損事故でも十分な補償を受けられるようになります。
　しかも、この弁護士費用特約は利用してもいわゆるノーカウント扱いですから、保険の等級が下がらず、来年以降の保険料があがりません。交通事故に遭って弁護士を頼みたい場合は、まずは自信の加入している保険に弁護士費用特約が付いているか確認し、付いていれば迷わず利用を検討すべきと言えるでしょう。