1.はじめに

 こんにちは、弁護士の辻です。
 交通事故で怪我をされた場合、大多数の方は病院で治療を受けることになります。
 しかし、通院を続けてもなかなか良くならず、数か月が過ぎたある日、相手方の保険会社から、唐突に「症状固定にして、後遺障害申請をしませんか。」という申し入れがされることがあります。症状固定?後遺障害申請?そんな疑問を持たれる方がほとんどだと思います。
 その際、相手方保険会社の担当から、丁寧に説明されれば良いのですが、特に説明がないか、説明をされてもよくわからなかったという被害者の方が大勢いらっしゃいます。
 そのため、症状固定・後遺障害申請が、どういう意味なのか、ご説明したいと思います。

2.症状固定とは

 症状固定とは、一般的に

「傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法(以下「療養」という。)をもってしても、その効果が期待し得ない状態(療養の終了)で、かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると認められる最終の状態(症状の固定)に達したとき」(労災補償障害認定必携67頁参照)

を意味する言葉です。

 要するに、治療しても、効果があまり認められない場合であり、かつ、経過観察してもこれ以上改善が見込めない場合をいいます。
 そのため、症状が固定した後に支出した治療費は、損害と認められない(相手に負担させられない)こととされています(例外的に支出が相当なときは損害と認められることもあり得ますが、重篤な後遺障害が残存した場合以外では認められないと考えていた方が無難です。)。

 つまり、相手方保険会社から、症状固定にしませんか?と言われたということは、これ以上治療費は支払わなくてもよいですよね?という提案なのです。

 もちろん、相当以上期間が長引いていて、治療しても特に症状が変わらない場合には、この提案が妥当なときもありますが、まだ治療により徐々に症状が改善していっているのに、このような提案がされることもあります。

 相手方保険会社に、症状固定にしませんか?と言われたときは、まず医師に相談して治療効果があがっていることの確認や、継続する必要性を確認することが良いでしょう。
医師が治療継続すべきと言っているのに、相手方保険会社が強行に症状固定にさせようとしてきた場合には、弁護士にご相談ください。

 次回は、症状固定した後、後遺障害申請についてご説明させていただきます。