1 はじめに

 最近、北海道砂川市でレジャー用多目的車が軽ワゴン車と衝突するなどして親子4人が死亡した事故がありました。運転手からは、酒気帯び運転の基準値を上回るアルコールが検出されたとの報道もあり、飲酒運転の危険性を改めて実感させられるものでした。

 こうした飲酒運転の危険性から、最近では、車で居酒屋等に行ったとしても、帰りに飲酒運転をしないように、代行運転業者を利用される方が増えています。
ですが、代行運転を頼んだはいいものの、代行運転業者が、代行運転業者に事故を起こした時、依頼者である私たちは、被害者に対して損害賠償責任を負うのでしょうか。

 結論から言えば、依頼者である私たちも被害者に対して損害賠償責任を負います。
なぜなら、自動車損害賠償保障法は、同法3条において、いわゆる「運行供用者」の損害賠償責任を規定しており、依頼者である私たちは、この「運行供用者」に該当し得るからです。

2 「運行供用者」とは?

 自賠法3条は「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる」と規定しており、実際に自動車を運転していた者だけでなく、自動車の運行により利益を得、自動車の運行に対する間接的な支配や支配の可能性がある者も損害賠償の責任を負うとしています(※人身傷害部分のみです。)。

 代行運転を頼んだ車の保有者も、運行による利益を得ていますし、代行運転業者に対して運行に関する具体的な指示をすることも可能であり、間接的な支配をしています。
そのため、代行運転の依頼者も、被害者に対する関係では、自賠法3条の損害賠償責任を負うことになります。

3 おわりに

 飲酒運転は、当然してはいけませんが、代行運転業者を使うときは、こういったリスクもあることを理解して使った方がよいでしょう。
 ただ、代行運転業者には、「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」上、対人8000万円以上の損害賠償保険に加入する義務がありますので、その範囲内で収まる事故であれば、依頼者に負担が生じることはあまりないでしょう。