こんにちは。
今日は、相続の問題が生じた時に必ずしなければならない相続人の調査についてお話しします。

相続人になる人は、法律上、定められています。亡くなった人(被相続人)の配偶者、被相続人の配偶者と子、被相続人の配偶者と親、被相続人の配偶者と兄弟姉妹、などです。  基本的には、戸籍を見れば、相続人になり得る人がだれなのかは確認できます。戸籍を確認したところ、被相続人に隠し子がいた、と発覚することも少なくありません。被相続人が人知れず再婚して配偶者がいる場合なんかも、運悪く被相続人が死亡時にその配偶者と別居中だったりすると、死後に配偶者の存在が発覚することもあります。

実は隠し子がいた、配偶者がいた、などと相続人が発覚するところまでは、戸籍を追って行けばなんとかなるとしても、実際に隠し子などと連絡を取るのはやっかいです。多くの人は実際の居住地に住民票を置いていますが、中には、居住地に住民票を置いておらず、電話番号も勤務先も不明、ということもあります。また、隠し子などと連絡がとれても、めんどうなことには巻き込まれたくない、ということで非協力的な場合もあります。もともと疎遠だったのだから、相続の場面でだけ面倒なことをするのはおっくう、というのは避けられない問題なのかもしれませんね。得られる遺産が大きければ喜んで協力してくれるかもしれませんが…。

それでは、手を尽くしても相続人の住所や連絡先が分からない場合はどうしたらよいのでしょうか。
とりあえず連絡のとれる相続人だけで遺産分割してしまう、ということをやる人もいるかもしれません。または、はっきりと遺産分割せずにとりあえず相続人間でなんとなく遺産を使うということもあるかもしれません。しかし、そこをあいまいにできないこともあります。例えば、だれも使わない不動産を処分してしまいたい場合。不動産を売却するにしても、相続人全員がそろって売却手続をしなければ売れません。
そういう場合のために、家庭裁判所に申し立てて不在者の財産管理人を選任してもらうという手段があります。不在者の財産管理人は、捜索をしても行方の分からない相続人に代わって遺産を保存、利用、改良し、家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議や調停などをすることもできます。

また、7年以上生死不明なら、その相続人の失踪宣告を受けるという手段もあります。
相続人同士の連絡が取れれば、話合いで遺産分割できるのに、裁判所の手続きが必要なんて面倒、と思うかもしれませんが、あいまいなまま遺産分割協議をして、あとで隠し子が現れてもめたりするリスクを避けるためにも、とるべき手続は踏んでおくべきでしょうね。