1.相続財産管理人
相続人の存在・不存在が明らかでないとき、相続人全員が相続放棄して相続する者がいなくなったとき、相続財産管理人が選任されます。相続財産管理人は、当該地域の弁護士が選任されることが多いようです。
相続財産管理人の仕事は、亡くなった方(以下「被相続人」といいます。)の財産の清算をして、清算後残った財産を国庫に帰属させます。
被相続人と特別の縁故のあった者(「特別縁故者(とくべつえんこしゃ)」といいます。)に相続財産が分与されることもあります。
2.相続財産選任後の手続
家庭裁判所は、相続財産管理人の審判をしたとき、相続財産管理人選任した旨の公告をします。官報に掲載するなどの方法によります。
相続財産管理人は、相続財産を調査、整理して、財産目録(財産リストのようなものです。)を作成します。
公告から2か月たって相続人が現れなかった場合、家庭裁判所は、相続財産管理人の申立てにより、相続人を探すために、6か月以上の期間を定めて公告をします。期間内に相続人が現れなければ、相続人がいないことが確定します。
相続財産管理人は、被相続人の債権者・受遺者(遺言によって贈与を受ける人)に対し、2か月以上の一定期間内に、債権届出をするよう、公告します。
相続財産管理人は、届け出をした債権者に対し、債権額割合に応じて弁済をします。弁済するだけの資金がない場合、不動産・動産の資産を換価し、弁済のための資金を作ります。
相続人を探すための公告期間満了後、3か月以内に特別縁故者に対する申立てがされることがあります。この場合、相続算管理人は、特別縁故者に対する諸手続きを行います。
以上の手続きを経た後、遺産の中から相続財産管理人に対する報酬が支払われ、なおも財産が残っていれば、国庫に帰属します。
突然、相続財産管理人、などと聞いて困っている方、この先どうなるのか不安な方、気軽に弁護士に質問してみてください。
弁護士 江森 瑠美