当事務所には時々、「父親がこんな目に遭って・・・」「姉が今こういうトラブルに巻き込まれてて・・・」「知り合いの話なんですけど・・・」等と、ご相談者様ご自身の相談ではないお話が舞い込んできます。
 特別の事情のない限り、ご本人が健在であればご本人以外の方が権利を行使することはできませんし、やはりご本人でない以上全ての事情を知らない場合も多く、場合によっては新たなトラブルを起こしかねないため、このような他人からの相談は、原則としてお受けすることが難しいものになります。

 もちろん、例外はあります。典型的なケースが「法定代理人」というもので、未成年者の法定代理人(親であることが多いです)は未成年者のために代理して権利の行使等をすることができます。
 認知症で意思決定が難しい高齢者などについても、家庭裁判所の任命を受けた親族などが「後見人」となり、その方のために代理して権利を行使したりすることが出来るようになります。

 法定代理人が未成年者に代わって権利の行使をする場面といえば、子供さん同士のいじめや事故などが典型かもしれません。
 この場合、訴えられた方(被告)が未成年者であれば、こちらも法定代理人が未成年者に代わって訴訟を行うことが考えられます。
 また、一定年齢以下(12歳程度が多いようです)であれば、そもそも子供に責任能力がないとして、被告自体を監督責任者である親にする場合も考えられます。

弁護士 井上真理