宇都宮では、庭付き一戸建てや田畑などを多く見かけます。自分の土地というものを感じる人の割合も、東京より多いかもしれません。
さて、土地の権利関係をめぐる紛争というのは、法的紛争として結構多いと思われるものです。隣の土地との境がどこになるかを巡り、トラブルとなっているというような話は、多くの人にとりそんなに遠い世界のことではないでしょう。
土地の境界と言っても、2種類のものがあります。1つは権利の及ぶ範囲の境で、もう1つは登記範囲の境です。この2つは、正確には別個のものです。
もっとも、土地の一部の譲渡や取得時効などの事情から殊更に登記範囲を離れて権利の及ぶ範囲を取沙汰する場合ならともかく、通常は登記範囲が権利範囲と一致することが大半ですので、この2つは別個ながらも密接な関係にあると言えます。
隣人と土地の所有権をめぐって争いとなる場合には、最終的には双方の所有権の範囲を確定させることとなります。しかし、上記のとおり通常は権利範囲が登記範囲と一致していることが多いため、前提として双方の土地の登記上の境目を明らかとする段取りをとることもあります。
土地の登記上の境目を明らかとする方法としては、「筆界特定制度」と「境界確定訴訟」とがあります。隣地との境目が定まらないと、所有権紛争のほか、土地の売買価格や固定資産税においても不利益が生じることがあるらしいので、重要な制度なのでしょう。
制度の概要についてまで触れると長くなるので、続きは別の機会にしようと思います。