こんにちは、弁護士の関です。今日は、調停の効用について書いてみたいと思います。

当事務所は、様々な方からご相談を受けていますが、その中には、調停で解決することが相当と思われる事案がかなりあります。
しかし、「調停」というと、真っ先に「離婚の調停」を思い浮かべる人が多いようで、例えば、人にお金を貸しているがなかなか返してもらえなくて困っている方に、「このケースですと、調停での解決がよろしいのではないかと思います。」とアドバイスすると、「えっ、調停?そんなことができるんですか?裁判じゃないんですか?」と驚かれることが結構あります。
多くの方は、裁判所の手続きというと、一般的に裁判を念頭に置かれるようで、調停で解決するという発想にはなかなか至りにくいようです。

調停は、裁判官1名と調停委員2名で構成される調停委員会が、紛争について介入し、当事者の言い分を交互に聞きながら、これを調整し、最終的には合意による解決を導く手続きですが、皆様が「訴訟(=裁判)」で解決するものと思いがちな、貸金の問題、相隣問題、労働問題、不法行為に基づく損害賠償請求の問題なども、調停を利用して解決することが可能です。

調停は話し合いですので、相手方が欠席をつらぬいたり、期日を重ねても結局合意ができなければ、「不調」といって、調停は不成立ということで終了してしまうのですが、「訴訟」という、黒白をつける手続きと違って、角の立ちにくい解決方法と言えます。また、オールオアナッシングとなる可能性の高い判決とは異なり、柔軟な内容の合意を成立させることが可能です。

このように、使いようによっては大変便利な調停ですが、これを利用する場合でも、訴訟の場合と同じく、できるだけ弁護士に依頼をすることをお勧め致します。
というのは、自分一人で出席するのと、弁護士と一緒に出席するのとで、調停の流れを自分の有利に持って行けるかどうかがかなり違ってくるからです。

私はこれまで、相談にいらっしゃるまではご自分一人で調停に出席しており、自分なりに伝えたい条件がたくさんあるのに、調停委員から、「あまり相手からお金を取ることにこだわらないで、もう前を向いて生活したらどうか。」「そんな金額を請求しても、相手にはお金がないから無理ですよ。」等と言われ、自分の言い分を全て否定されているような気持ちになり、不安になって法律事務所に相談した、という方に多く出会い、途中から調停事件の代理を受任した経験があります。
そんな時、お客様は、決まって、「弁護士に依頼する前と後とで、調停委員の態度が変わった。」「調停の流れが全く変わった。」と、感動を込めておっしゃいます。

弁護士であれば、お客様が解決を必要としている問題を法律問題として組み立て、お客様の感情も交えつつ、調停委員に対し、ポイントを押さえた話をすることにより、調停をスムーズに、有利に進めることが可能ですから、是非弁護士に依頼されることをお勧めします。
「相談はしてみたいけれど、こんな問題、解決できるのかな。」あるいは、「調停は自分でできるっていうから、やってみようかな。」と思われている方がいらっしゃいましたら、あきらめたり、お一人で行動に移す前に、是非弁護士にご相談下さい。
もちろん、既にご自分で調停を始めたけれど、言いたいことをうまく理解してもらえていないような気がする・・・、という方も、手遅れにならないうちに、弁護士に相談されることをお勧めします。