権利関係を誰がどのように引き継ぐのかを決める
また、訴訟で紛争の対象になっている権利関係を誰がどのように承継するのか、という具体的な遺産分割の問題も絡んできます。
したがって、受継する人を定めるまで一苦労となることもあるのです。
それに何より、当事者が亡くなるということは、事件の内容を知っている人がいなくなるということです。当然、これは訴訟における大きな支障となります。
当事者が複数名である場合などは、うち一名の死亡で他の当事者も一緒に訴訟の進行を止めることになったりします。死亡した当事者の部分のみ、手続きを分離できることもありますが、事案の性質や受継が見込める時期などによって、分離するか否か、裁判官が判断することになります。
元々争っていた問題よりも難題になることも
これらの色々な問題がありますので、事案本体の問題よりもかえって相続、受継の問題の方が難題になってしまったり、ということもあり得るのです。判決や和解で終わった後に亡くなったのであれば、金銭(債権、債務)をどのように分けるか、という問題で済むこともあるのですが…進行中の訴訟を引き継ぐというのは、見通しがきかない分、そんなに簡単なものではないでしょう。