金融商品取引は、複雑かつ元本割れのリスクがある場合があり、取引においては、一定の専門的知識が必要となる場合が少なくありません。
そのため、資力及び能力のキャパシティを超える取引がなされると、顧客に大きな損害を与えてしまう恐れがあるため、法は、適合性原則というルールを定めています。
金融商品取引法40条は、「金融商品取引行為について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けること、又は欠けることとなるおそれがあること」のないように、その業務を行うことと規定し、いわゆる適合性原則を定めています。
同原則について、金融庁が定めるガイドラインにおいて、①顧客属性等の的確な把握及び顧客情報の管理の徹底②顧客の取引実態の的確な把握及びその効果的活用により、金融商品取引業者が適正な投資勧誘の履行を行うよう確保する必要があると規定され、一定の保護及び監督するように定められています。
さらに、金融商品の中でも、投資リスクが高い金融商品として知られている、商品先物取引がありますが、商品先物取引を個別に規制する法律(商品先物取引法)があります。
商品先物取引法にも、金融商品取引法と同じく、「商品先物取引業者は、顧客の知識、経験、財産の状況及び商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って委託者等の保護に欠け、又は欠けることとなるおそれがないように、商品先物取引業を行わなければならない。」という、適合性原則が定められています。
この点、商品先物取引について経済産業省が定めているガイドライン(商品先物取引の委託者の保護に関するガイドライン)があり、より具体的に適合性原則違反や不適当とされる勧誘方法について規定されています。
特に、年金受給者や、500万円以上の年収を有しない者への勧誘が原則として不適当と認められる勧誘とされたり、商品先物取引未経験者の保護措置の必要性について規定されており、昨今問題となっている、商品先物取引被害の被害者において参考になる規定が、かなり多いのではないかと思います。
「商品先物取引の委託者の保護に関するガイドライン」は以下のURLになります。
http://www.meti.go.jp/policy/commerce/z00/pdf/guide.pdf
金融商品取引被害・商品先物取引被害等でお悩みの方は上記ガイドラインを一度のぞいてみてはいかがでしょうか。