こんにちは。
今日は、分譲マンションを買ったとき、購入者の所有の対象となるのはどこの部分で、どこの部分は共有になるのか、ということをお話したいと思います。
マンションのように1つの建物を区分して複数の人が所有する建物を、「区分所有建物」といいます。区分所有建物の区分された部分を所有している人は、「区分所有者」です。
区分された部分は、そこを購入した区分所有者のものですが、マンションには住民みんなで使うスペースもいろいろありますので、区分された部分以外はそのマンションの区分所有者全員の共有になるのが原則です。
マンションの1室を買った区分所有者が、自分だけのものとして所有できる部分を「専有部分」といいます。
この「専有部分」は、①構造上の独立性と②利用上の独立性がなければなりません。
たとえば、バルコニーやベランダ付きの部屋を買ったら、そのバルコニーやベランダを使うのは、その部屋の区分所有者だけなのですから、②利用上の独立性はあるといえるでしょう。
しかし、バルコニーやベランダは、外に向けて開放されているのが一般的な構造であり、また、勝手に改造できるとすると上下階や隣室に影響を及ぼすことが容易に想定されます。
そのため①構造上の独立性がないとして、「専有部分」ではないとされることが多いのです。
建物の「専有部分」ではない部分は、マンションの区分所有者全員の共有であり、その部分は、「共有部分」といいます。
「専有部分」なのか「共用部分」なのかといった問題は、配管・配水設備の保守・取替えやリフォームなど現実的な問題とかかわります。
配管・配水設備等が「専有部分」のものであれば、漏水事故があったような場合、区分所有者がこれを自己負担で修理することになります。
配管・排水設備等が「共用部分」のものであれば、管理組合が修繕義務を負担することになります。
配管・配水設備については、一般的には、本管は「共用部分」であり、本管から分岐して各部屋に通じる枝管は「専有部分」であることを原則としますが、設置場所や構造の具体的な状況が考慮された上で結論が出されます。