タイに関する興味深いニュースを見つけました。
ミャンマーの経済難民が次々とタイに流入しているというのです(2010年1月25日付毎日新聞朝刊)。アジアの近隣諸国から仕事を求めて日本に入国してくる外国人が多いのと似ていますね。
そうです。タイは、日本人の皆さんにとっては、発展途上国、よくても新興国という位置づけをされていますが、ASEAN諸国の中では優等生です。
タイ人の賃金は、日本人と比べるとまだまだずいぶん安いですが、タイは最近景気が良く、賃金も上昇傾向にあります。
仕事もあり、かつ、賃金も高いタイに仕事を求めて、ミャンマーから大量に入国してくるのも当然でしょう。ちなみに、タイ人の給料は、ミャンマー人の現地の給料の約10倍だそうです。
タイがますます日本に似てきた兆候として挙げられるのは、タイ人の仕事に対する意識の変化です。
あるタイ人経営者の方から言わせると、このミャンマー人労働者がいないとビジネスが成り立たないというのです。というのは、タイ人労働者の間でも、「きつい、汚い、危険」な仕事は敬遠され初めているからだとか(前掲毎日新聞)。日本で3Kが嫌がられるのと同じですね。
このように、タイ人に敬遠されて生じている労働力不足をミャンマー人が補ってくれているという実態があるわけなんです。
ところで、新聞記事にはミャンマー人のことしか取り上げられていませんでしたが、実は、ラオス人もかなりタイに入植しています。
ラオス人というのは、人種的にタイ人と区別がつかないうえに、言語体系も酷似しています。ラオス語はタイ語の方言だと言う人さえいます。
したがって、ラオス人は、タイ語をほぼ完璧に理解します。
今後、タイがますます経済発展するにつれて、近隣諸国からの入植者も増えていくんでしょうね。タイの場合は、日本と違って、他国と陸続きですから、入国もしやすいですよね。
ちなみに、これらのミャンマー人やラオス人は、そのほとんどが不法就労だと私は確信しています。タイでは、労働許可証を発行してもらうのはけっこう大変ですから…。実際、日本人でさえも、不法就労している人がたくさんいます。
タイに進出した日系企業の中には、今後、ミャンマー人やラオス人を雇用する機会があるかもしれませんが、労働許可証はまず出ないと思った方がよろしいかと思います。また、タイ人になりすまして応募してくる人もいると思いますので、コンプライアンスには十分注意してください。