弁護士 金 崎 浩 之


こんにちわ、今年ももうすぐ終わりですね。

今回は、私の得意分野でもある事業再生についてのお話です。
特に、最近注目を浴びている事業再生ADRについてです。今年の日経新聞の弁護士ランキング・事業再生倒産部門で、このADRで活躍した弁護士が高く評価されたようです。

そこで、事業再生ADRの実務上の問題点を整理してみたいと思います。その問題点は、次の2点に整理できると思います。

第1に、従来の私的整理と同じように、対象となる債権者全員の同意が必要になる点です。多数決ではありません。

第2に、これも従来からの私的整理と同様に、個別の債権者の権利行使を遮断する方法が基本的にない点です。法的整理の場合は、手続きの中で弁済を受けなければならなくなりますが、事業再生ADRを含む私的整理では、債権者が手続きを無視して強行手段に訴えることも基本的に可能です。

まず、第1の問題点については、特定調停の活用で対応しているようです。つまり、賛成が得られない債権者との間で特定調停を申し立てて、同意を取り付けようということです。

第2の問題点については、私的整理ガイドラインの実績で、一時停止の通知があれば、銀行が残高維持に協力する慣行が成立しているようです。要するに、このADR手続きを銀行も尊重してくれて、手荒なことはしない慣行になっているということです。でも、あくまでも慣行なので拘束力はありません。

ところで、上記の問題点とは別に、事業再生ADRで前進した側面もいくつかあります。

第1に、従来の私的整理では、緊急融資債権の法的保護が十分でなかったのですが、この点については事業再生ADRでは前進しており、産活法により、緊急融資債権が法的整理の中で優先的に扱われることが定められ、また、中小企業基盤整理機構による一部保証制度も用意されています。

第2に、従来の私的整理では、いわゆる「メインバンク寄せ」という慣行が成立していましたが、事業再生ADRではそのようなことはないようです。なので、メインバンクの負担が大きくなるという従来型私的整理のこの点に関する問題点は解決されているようです。

もう年内の営業も終了しており、私も休暇中ですが、ブログだけでも頑張りたいと思います。