1 はじめに
皆さん、ついに冬がやってきました。
今年の冬は例年とは大きく違います。そうです。新型インフルエンザの脅威です。
先月、風邪をこじらせて病院に行ったのですが、幸いにして新型インフルエンザではありませんでした。その時、お医者さんに、新型インフルエンザについて質問したのですが、
「気にすることありませんよ。単に新型というだけです。日本人は真面目ですからね。大騒ぎしすぎなんです。アメリカ人なんて気にしてませんよ。希に死亡するケースもありますが、そんなの従来のインフルエンザだって同じです。」
まあ、そうなのかもしれません。個人ベースで見たらせいぜい1週間も休めば会社に復帰でき元気に仕事ができると思います。
でも、会社の場合はそうはいきません。事業組織ベースでは、大いに気にしないといけないというのが私の意見です。というのは、社内で新型インフルエンザが流行し職員が全員欠勤なんていう自体に陥ったら業務が停まってしまうからです。これは事業活動を行っている会社としては決して無視できない損害です。
2 企業の取組状況
では、迫ってくる新型インフルエンザの脅威に対して、日本の企業はどのような取組をしているのでしょうか。
まずその前提として、そもそも何らかの取組をしているのか気になりますよね。
この点に関して、帝国データバンクがおもしろい調査をしたようです。
同社の調査によると、対象企業の46.9%が、新型インフルエンザに対して危機意識をもっているようです(2009年11月5日付帝国タイムス)。
しかし、危機意識が高い企業を企業規模別に見ると、大企業が54.8%であるのに対して、中小企業は44.3%だったそうです。特に、小規模企業になると36.0%にとどまります。企業規模が大きければ大きいほど危機意識が高いという実態が浮き彫りになりました。
また、実際に何らかの対策をとっているかという質問に対しては、危機意識が高いと回答した企業のうち、85.8%が今年7月以降に何らかの新型インフルエンザ対策を実施しているということでした。
では、実際にどのような取組がなされているのでしょうか。帝国データバンクの調査結果を踏まえてまとめてみました(複数回答あり)。
マスクや手袋など衛生用品・食料の備蓄 45.9%
社員・職員に対する教育・啓蒙 39.3%
情報収集・連絡体制の整備 38.0%
職場における感染予防・感染拡大防止策の策定 37.5%
どこまで対策が打てるかは各会社の実情にもよりますので一概には言えませんが、最低限として、社員・職員に対する教育・啓蒙と消毒液などの設置はしたほうがいいと思います。
マスクの備蓄は理想的ですが限界がありますよね。長い冬を乗り切るのに1人1枚では足りません。1人に数枚行き渡るようにして、それを全職員分購入するとなるとけっこう大変ですよね。また、あちこちでマスクの売り切れ状況も発生しているようです。
いずれにしても、お早めにご準備を。このへんも、企業の重要な危機管理だと思います。