1 民主党候補者不在の選挙区
今回の選挙は、自民党VS民主党と位置付けるべきなのか、それとも自民党VS非自民党と位置付けるべきなのか、は議論の分かれるところかもしれませんが、私は、自民党VS民主党の選挙だったと考えております。
確かに、社民党、国民新党、みんなの党にも見事に自民党を破った候補者がおりますが、その大半はもともと大物議員であるか著名人でした。また、マスコミが民主党への政権交代を散々報道していましたので、民主党への期待が高まり、有権者の間に、自民党VS民主党というイメージが形成されていたはずです。
さて、自民党VS民主党という対立構造が正しいと仮定すると、民主党に追い風が吹き、自民党に逆風が吹いていたわけですから、自民党の候補者にとって、民主党が候補者を立てていない選挙区は、戦いやすかったはずです。私は、そうした選挙区を「自民党不戦勝選挙区」と名づけました。もちろん、そうした選挙区の中には接戦だった選挙区もあるのですが、民主党が候補者を擁立していなかったことに助けられた面は否めません。
2 自民党不戦勝選挙区
2009年8月31日付毎日新聞朝刊に掲載されている選挙結果の情報に基づいて、以下のように自民党不戦勝選挙区を割り出しました。そのような選挙区は、全国で15選挙区ありました。
東北
宮城6区 | 当選 | 小野寺五典 | 自民党 | 100,832 |
| | 菅野哲雄 | 社民党 | 54,133 |
山形3区 | 当選 | 加藤紘一 | 自民党 | 130,502 |
| | 吉泉秀男 | 社民党 | 80,362 |
東京
東京11区 | 当選 | 下村博文 | 自民党 | 117,472 |
| | 有田芳生 | 新党日本 | 113,998 |
北陸信越
富山2区 | 当選 | 宮腰光寛 | 自民党 | 105,828 |
| | 藤井宗一 | 社民党 | 73,597 |
富山3区 | 当選 | 橘慶一郎 | 自民党 | 134,315 |
| | 相本芳彦 | 無所属 | 105,483 |
北関東
群馬5区 | 当選 | 小渕優子 | 自民党 | 152,708 |
| | 土屋富久 | 社民党 | 53,048 |
中国
島根2区 | 当選 | 竹下亘 | 自民党 | 135,296 |
| | 亀井久興 | 国民新党 | 108,192 |
近畿
大阪13区 | 当選 | 西野陽 | 自民党 | 107,807 |
| | 白石純子 | 国民新党 | 90,453 |
兵庫9区 | 当選 | 西村康稔 | 自民党 | 137,190 |
| | 宮本一三 | 国民新党 | 76,991 |
四国
香川3区 | 当選 | 大野功統 | 自民党 | 73,379 |
| | 米田晴彦 | 社民党 | 53,822 |
愛媛2区 | 当選 | 村上誠一郎 | 自民党 | 94,843 |
| | 岡平知子 | 社民党 | 85,299 |
九州・沖縄
福岡11区 | 当選 | 武田良太 | 自民党 | 106,334 |
| | 山口はるな | 社民党 | 61,192 |
佐賀3区 | 当選 | 保利耕輔 | 自民党 | 93,681 |
| | 柳瀬映二 | 社民党 | 30,346 |
熊本4区 | 当選 | 園田博之 | 自民党 | 123,900 |
| | 松永真一 | 国民新党 | 78,811 |
熊本5区 | 当選 | 金子恭之 | 自民党 | 98,632 |
| | 中島隆利 | 社民党 | 76,126 |