1 なぜか期待してみたい

 本日、鳩山内閣が誕生しました。何となく、国民の間で期待感が漂っているような気がします。
 実は、私も密かに期待している国民のひとりです。

 平成5年に細川内閣が誕生し自民党が政権を奪われた時のことを覚えていますか。平成5年と言えば、私個人にとっては、司法試験に合格した年ですので、特別な思いがあります。政権交代した年に私は司法試験に合格したんです。

 でも、あの時は、今回ほどの期待はなかったんですね。私個人そしては…。平成5年の総選挙では、元・熊本県知事の細川さんが彗星のごとく現れて日本新党を立ち上げ、たった1回の衆議院選挙で政権を奪取してしまったんです。
 ところが、今回の民主党進政権よりも私にとっては感動がありませんでした。まあ、もしかしたら当時の政権交代よりも自分の司法試験合格のほうが私の人生にとっては一大事だったから、というのもあるでしょうね(笑)。

 なぜ私が細川内閣にさほど期待しなかったのかというと、非常に政権基盤が脆弱な連立政権だったからです。自民党が政権を失ったとしても一時的なものだという印象でした。平成5年の選挙が中選挙区制だったことも関係していると思います。中選挙区制では、ダイナミックな政権交代が起こりませんから。
 実際、その後、自民党は公明党と組み、しばらく政権を維持しました。

 その後、小選挙区制が導入されたわけですが、非自民の各政党は、離合集散を繰り返し、自民党と闘える余裕などありませんでした。そのような経緯を経て野党第一党として、民主党が比較的安定した地位を築きました。頼りなかったですけど…。

 ところが、今回の政権交代は安定しています。民主党が安定多数の議席を確保しているからです。確かに、今回民社党の福島瑞穂さんが入閣していますが、御挨拶だと思います。彼女がいなくても政権維持に問題ありませんから。この安定感は期待を誘います。
 もちろん、民主党の実力は未知数で、また自民党に政権が戻るかもしれません。いや、きっと戻るはずです。
 しかし、それでよいのです。私たちは、今回の選挙で政治のダイナミズムを目の当たりにしたわけですから。また自民党に政権が戻っても、再度民主党に政権担当の機会が訪れるはずです。このようにして、二大政党制が実現し、政治に緊張感が生まれてくると思います。これは、平成5年の細川内閣のときにはなかった緊張感です。選挙で負けた自民党も今回ほどの切迫感は感じられませんでした。

 だから、私は民主党に期待します。民主党のマニフェストに期待しているわけではありません。政治に緊張感を与えてくれることに期待しているんです。

2 影の功労者

 この政権交代の影の功労者は、言うまでもなく麻生さんです。
 さっき、テレビ朝日の報道ステーションを観ていたら、麻生さんがインタビューでこんなことを言っていました。
 「歴史の評価にはもう少し時間がかかる…」
 要するに、麻生さんが言いたいのは、今回の選挙では国民から評価されずに大負けしたが、歴史は自分を評価してくれるはずだ。でも、そのことが世間から理解されるのには、もう少し時間がかかると言ってるんです。

 私は、これだから麻生さんが大好きです!
 私も、歴史は麻生さんを評価すると思っています。なぜならば、今回の歴史的政権交代の影の功労者、いや最大の功労者は何とっても麻生さんですから(爆)。