こんにちは、前田です。
 今回は、前回にご説明できなかった、「利用目的」の具体的な定め方について、簡単にご説明します。

 これまで利用目的の通知・公表について説明してきましたが、そもそも利用目的はどのように定めればいいのでしょうか。
 利用目的は「特定」がされなければなりません(法15条1項)が、どのくらい細かく定めれば「特定」されるのか、いざ定めようとすると迷うところですね。
 経産省のガイドラインでは、個人情報取扱事業者において最終的にどのような目的で個人情報を利用するかを出来る限り具体的に特定する必要がある、と記載し、具体例を挙げています。具体例を見た方がわかりやすいので、以下にその具体例を紹介しておきます。

特定出来ている事例

①「●●事業における商品の発送、関連するアフターサービス、新商品・サービスに関する情報のお知らせのために利用いたします」
 →●●事業の特定の程度については、日本標準産業分類の中分類から小分類程度が参考になります。

②「ご記入いただいた氏名、住所、電話番号は、名簿として販売することがあります」

③「給与計算処理サービス、あて名印刷サービス、伝票の印刷・発送サービス等の情報処理サービスを業として行うために、委託された個人情報を取り扱います」

特定できていない事例

①「事業活動に用いるため」

②「提供するサービスの向上のため」

③「マーケティング活動に用いるため」

 要するに、通知・公表された本人が利用目的をみて、最終的にどのような形で個人情報が利用されるのかが分からなければなりません。特定できていない事例を見ると、あまりに広すぎて、具体的な例示がないと予想できませんね。

弁護士 前田瑞穂