1 やっぱり驚いた民主党の勝利

 昨日、都議選があり、民主党が勝利しました。
 政治に関するコラムを企業法務のブログに書くことが適切かどうかはわかりませんが、政治は、ビジネス社会にも影響をもたらしますので、私のコラムの中で書いてみたいと思います。

 しかし、コラムの性質上、私の個人的な政治信条や支持政党(とは言っても、支持している政党なんて、ないんですけどね)について論じることは適切ではないので、政治の世界で起こっている事実関係に着眼して筆をすすめていきたいと思います。

 さて、昨日の都議選での民主党の勝利についてですが、これを意外な結果だと受け止めている人は少ないと思います。勝ち方の程度はともかく、民主党が勝利したことに驚いている人はあまりいないのではないでしょうか。

 私も民主党の勝利自体については驚いておりません。
 私が驚いているのは、勝利したことではなく、勝利の仕方にあります。

2 民主党の勝ち方

 民主党の勝ち方を単純化すれば次のようになると思います。

・民主党―何もしていない。
・自民党―悪い評価を受けることばかりしている。
 ⇒民主党の勝ち

 これって、考えたらけっこうすごいですよ。ビジネスの世界でも、スポーツの世界でも、芸術の世界でも、高校受験や大学受験の世界でも、さらに言えば小学校の運動会の50メートル走でも、こんな勝ち方はできません。こんなこと、政治の世界以外では考えられませんよ。

 今、政治の世界に必要なのは、経営のプロだと思います。日本株式会社を経営できるプロがいないんですよね。政治の世界には、リーダーシップがない、マネジメントがない、マーケティングもなかれば、財務もめちゃくちゃです。あるのは、権力闘争だけです。会社だったら、とっくに倒産しています。

 自民党と民主党の選挙戦を50メートル走に例えると、民主党はのんびりと走っている…。「やる気あるのか?」と疑いたくなるくらい、ダラダラ走っている…。
 ところが、自民党が勝手に転んでくれたので、民主党がゴールイン!
 こんなにレベルの低い競争は、今の時代に珍しいと思います。

 こんな退屈で幼稚な競争だから、有権者もしらけています。前回の都議選より高かったとはいえ、投票率は50数%です。有権者の半数近くが棄権していますから。

 こんな状況なので、もし世間から高く評価されているカリスマ経営者、たとえば、ファースト・リテーリングの柳井さんとか、楽天の三木谷さんとかが政党をつくって全国に候補者を立てたら、たった1回の選挙で政権を奪取できるような気がします。ビジネスの世界よりも政治の世界のほうが、勝ち残るのはずっと簡単に思えました。