1.医療機関と負債額
帝国タイムスの調べによると、2001年から2008年までに倒産した医療機関の負債額は、以下の通りです。
なお、この医療機関には、病院のほか、診療所や歯科医院も含みます。また、負債額が判明している226件が対象となっています(倒産した医療機関の全てではありません)。
件数 | 構成比 | |
1億円未満 | 56件 | 24.8% |
1億円~5億円未満 | 90件 | 39.8% |
5億円~10億円未満 | NG | NG |
10億円~30億円未満 | 35件 | 15.5% |
30億円以上 | NG | NG |
株式会社帝国データバンク発行「帝国タイムス」(2009年6月15日、第13306号)を参考に作成
これを見ると、146件が負債5億円未満で、64.6%を占めます。5億円程度の負債で倒産してしまう医療機関がたくさんあるということで、医療機関の財務的基盤の弱さが分かります。
特に、診療所と歯科医院については、施設数が年々増加し、競争が激化していることも要因になっていると思います。
2.医療機関と民事再生
前出の帝国タイムスによると、2001年~2008年までに倒産した医療機関のうち、民事再生を選択した医療機関は、病院が56.7%、診療所が17.4%、歯科医院が18.2%だったそうです。
病院については、過半数以上が民事再生を選択しているのに対し、診療所と歯科医院については、やはり財務基盤が弱いせいか、再建型の倒産処理を選択できないケースが多いようです。