民事再生法が施行されてからの9年間について、申立債務者を負債規模別にその分布を整理すると、以下の表のとおりです。

件数構成比
1000億円以上460.6%
500億円以上
1000億円未満
620.9%
100億円以上
500億円未満
5537.8%
50億円以上
100億円未満
4696.6%
10億円以上
50億円未満
198127.9%
5億円以上
10億円未満
120817.0%
5億円未満277939.2%
合 計7098100.0%

出所;帝国タイムス(2009年5月15日第13303号)
発行所;株式会社帝国データバンク

 このような負債規模を見て、個人なりに感じた私見を述べたいと思います。

 まず、予想通り、負債額5億円未満の事業者が39.2%を最多です。これに50億円未満のものまでを加えると、84.1%に達します。
 民事再生法制定当時、この法律が中小企業の再建を予定していたように、実際に申し立てられた事件は中小企業に集中していると言えるでしょう。

 ところで、全体に占める割合は小さいですが、負債が1000億円以上にも及ぶ申立債務者が0.6%(46件)あり、負債額500億円以上を加えると、1.5%(108件)になります。この負債規模になると、大企業といってもよいと思います。

 この数字を大きいと見るか小さいと見るかは議論の余地がありますが、私は注目してよい数字だと思います。
 なぜなら、日本全国の企業の9割以上が中小企業だと言われており、そもそも大企業の割合は極めて小さいことから、民事再生申立の割合も小さくなることは当然だからです。
 したがって、従来であれば、会社更生法が適用されてもよい規模の企業の一部が、民事再生法を利用しているものと思われます。