ご相談のような、近隣不安を煽る場合があるという点もその一例といえます。このような事態に対処するためには、転貸借自体を禁止することは勿論、賃借人本人のみではなく部屋を利用させた場合も含めて近隣への迷惑行為を解除事由として定めておくなど、対抗策を準備しておく必要があります。

 また、賃料の滞納が生じた場合のことも考えておく必要があります。不特定多数の人物が出入りする物件については、占有移転禁止の仮処分などの保全手続きが必要となる事例も多く、明渡しを実現するまでに時間がかかり、手続きに必要となる費用が増加することも避けられません。

 基本的には、無断の民泊利用は、賃貸人のリスクを大きくすることになるため、民泊利用を停止するよう警告するなど、毅然とした対応を行う必要があると考えられます。また、これを許容する場合には、違約に対するペナルティを厳格にしておくなど、賃貸借契約自体を見直して、トラブルの予防に徹することが必要と考えられます。