連帯保証人の更新拒否通知(全国賃貸住宅新聞6/13号掲載)
相談内容
長年、賃貸借契約を更新してきた賃借人の方がおられます。連帯保証人についても、継続的に更新してきたのですが、今回の更新にあたって、連帯保証契約を更新することを拒否する旨の手紙が届きました。
内容としては、これまで賃料を立て替えたりすることも度々あり、これ以上迷惑をかけられたくないこと、連帯保証人自身も収入が少なくなり保証しようとしても到底対応できないこと、速やかに賃貸借契約を終了させてほしいことなどが記載されていました。
連帯保証人が更新を拒否した場合には、連帯保証契約は終了してしまうのでしょうか?
回答
連帯保証契約は、賃貸借契約の更新とともに更新していくことが一般的に行われているかと思います。ただ、今回の相談のように連帯保証人が更新を拒否してきたり、更新時に連帯保証の承諾書を返送してこないといったこともよくあることだと思われます。
それでは、連帯保証契約は、更新を拒否されたり、承諾書の返送がない場合は、自動的に終了してしまうのでしょうか。
この点に関しては、最高裁の判例が存在しており、現在に至るまで変更されていません。結論としては、特段の事情がない限り、賃貸借契約が継続している限りは、連帯保証人は保証を継続しなければならないというものです。したがって、連帯保証人から一方的に拒否をしたり、承諾書を返送しなかったとしても、当然に連帯保証契約が終了するものではありません。ただし、保証期間が定められている場合や、高額の未払い賃料が発生しているにも拘わらず連帯保証人に連絡することなく放置した場合には、保証契約に基づく履行を拒絶することもできる場合があることには注意が必要です。
また、連帯保証人が連帯保証契約を終了させたいと言っているからといって、賃貸借契約を終了させる原因にはならないため、賃貸借契約を終了させるという要求には賃貸人としては応じることは容易ではありません。
結局のところ、連帯保証人が連帯保証の関係から離脱したい場合は賃貸人に要求するよりは、賃借人自身に賃貸借契約を終了するようにお願いするほかないと考えられますので、賃貸人としては連帯保証人と賃借人に協議してもらうよう促すべきでしょう。