それには、ただひとつの方法しかない。
すなわち、あなたに真実を告げてもあなたが気分を損じないという保証を示すことしかないのである。
そして、自由率直に思うことを述べれば述べるほど歓迎されるということを、あなたの助言者グループには感得させる必要がある。
しかも、助言者たちが胸中にもっている意見を率直に述べないような場合には、不快な態度を示すことさえ必要である。
もっとも、君主の助言者に選ばれるような賢人といえども、絶対に私利私欲に汚されていないとは言い切れない。人間というものは、必要に迫られて善人になるのであって、このたががはずれるや、ただちに悪に傾斜せずにはおれないからである。』
― ニコロ・マキャベリ『君主論』