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 中学時代、高校時代のボクは、ケンカが大好きなやんちゃ坊主でした。

 ケンカに強くなりたくて、高校3年生の時にボクシングジムに通ったこともありました。

 でも、戦績はあまり芳しくなく、5割くらいは負けました。10人とケンカすれば、5回は負けてるんです。なので、いつも生傷がたえず、頭や口の中を何針も縫ったことさえあります。

 当時は、これがとても悔しくて仕方がありませんが、今はこの戦績けっこう気に入ってます。

 不良っていつもケンカしているイメージですが現実はそうでもありません。

 例えば、ボクのケンカのスタイルは、目と目があって3秒以内に相手が目をそらさなかったら、自分からスーツと相手に歩み寄ります。このとき、相手をにらみつける必要はありません。ポイントは瞬きをせず、絶対に目をそらさないことです。
 この時点で半数以上がビビって目をそらします。したがって、ケンカになりません。

 相手が目をそらさなければケンカになるわけですが、このとき、相手の出方は2つのパターンに分かれます。

 ひとつは、ボクが近づいてくるまでその場で待っているヤツ。この場合は、大抵ボクが勝ちます。
 しかし、このときの勝ち方はちょっと特殊です。近づいていったボクは、無言のまま、相手の鼻の頭に頭突きを入れます。多くの場合、これでケンカは終了です。でも、このようなケンカは勝った数に入れてません。無抵抗の相手に勝つのは当たり前だからです。

 問題は、ボクが近づいていくと、相手も近づいてきてボクとの距離を詰めてくるヤツです。

 こういうヤツは、大抵ケンカに自信があります。
 しかも、多くの場合、ボクよりもカラダがでかいです。ボクはカラダが小さいのでケンカの相手は大概ボクよりもでかいです。
 だから、少しくらいボクシングをやっていても、半分くらいは負けてしまうわけです。

 でも、ボクはこの敗北の経験を今ではけっこう気に入っています。

 負け惜しみに聞こえるかも知れませんが、ケンカに負けた数だけ、自分よりも強い相手から逃げなかった証でもあるからです。

 そして、このときに鍛えた負けん気根性が今に活きていると思っています。

 司法試験に挑戦したのも、法律事務所を大きくしようと頑張っているのも、このときの負けん気根性がベースになっていると思います。

 だから今では、ケンカで負けた少年時代の体験がけっこうお気に入りです。