もう既に就職先が決まった司法修習生も少なくないとは思いますが、まだ決まっていないという人のほうが多数派ではないでしょうか。
そこで、多くの司法修習生と若手弁護士を見てきたボクの経験から、これから本格的に就活をする修習生のために、事務所選びのポイントをアドバイスしたいと思います。
法律事務所に就職する場合、もちろん、自分がやりたい分野をどれだけやれるか、という取扱分野も重要なのですが、それ以上に重要なのは、その法律事務所が勤務弁護士さんにとって、”居心地が良い職場であること”です。
これが決定的に重要です。どんなに自分のやりたいことができても、その職場の居心地が悪かったら、そこで仕事をするのは苦痛以外のなにものでもありません。
ちなみに、”居心地の良さ”と”相性の良さ”は、似て非なる概念です。
例えば、飲み会やカラオケが好きな事務所があったとしましょう。このような法律事務所に就職した場合、お酒やカラオケが好きな人にとっては楽しいかも知れませんが、嫌いな人にとってはかなりの苦痛です。
これは単純に、勤務弁護士さんと事務所の相性の問題だと思います。
しかし、勤務弁護士Aさんにとっても、Bさんにとっても、そこで働くことが苦痛だとしたら、それは相性の問題ではありません。
多くの勤務弁護士さんにとって、居心地の悪い事務所なんです。
そのような事務所に就職した人は大変です。
遅かれ早かれ、退職することになると思います。
ということで、如何にしてそのような法律事務所を就職先の対象からはずしていくか、が重要なポイントとなります。
その際の見るべきポイントを紹介します。
まず第1に、その事務所のボス弁と勤務弁護士との関係を観察することです。勤務弁護士が言いたいことを言える環境かどうか、を観察するんです。
居心地が悪い法律事務所の多くは、ボスがワンマン経営をしている事務所です。他の法律事務所の若い勤務弁護士さんから聴いたのですが、彼の事務所のボスは、所内で”ネロ”と呼ばれているそうです(笑)。
第2に、女性の勤務弁護士さんが一定数いることも重要です。
一般的に言って、女性の勤務弁護士は、男性の勤務弁護士以上に、職場の居心地を重視します。ボクの観察では、男性よりも女性のほうが、職場の人間関係を気にしているように思えます。
なので、女性の勤務弁護士の定着率が高い事務所も一般的に居心地は良いと評価できるでしょう。
第3に、所属弁護士の数が一定数以上いることも無視できません。
これはなぜかというと、たとえボスがワンマンではなく、事務所の雰囲気が良くても、相性が合わない兄弁、姉弁に遭遇しないとは限りません。
弁護士の人数が少ないと、相性が合わない人との人間関係がけっこうストレスになったりします。
でも、ある程度の人数の弁護士さんが所属している事務所であれば、このようなストレスもけっこう和らぎます。あまり人間関係に悩むこともないのではないかと思います。
この3つのポイントをしっかり念頭に置いて就職活動を行えば、きっと働きやすい法律事務所が見つかると思います。
修習生の皆さん、頑張ってください。