弁護士 金﨑 浩之 

 今年は、66期司法修習を終えた人たちが弁護士人生をスタートさせました。頑張ってください。

 さて、弁護士になると、弁護士会の各種委員会活動に参加できることはご存じですよね。
 ”参加できる”というよりは、事実上義務に近い。

 委員会活動への参加はプロボノ活動と呼ばれ、弁護士になった以上は、いずれかの委員会活動が強く奨励されます。
 この委員会活動を含む何らかの公益活動に参加しないと、確か約5万円/年の反則金みたいなのを支払わされます。要するに、「あの弁護士は、金儲けばかりしやがってケシカラン!」と評価されてしまうんです。

 ちなみに、ボクは、東京弁護士会の業務改革委員会というのに所属しています。
 この委員会は、基本的に弁護士の職域拡大と業務改善を考えていく委員会ですので、皆さんの仕事にとても利害が大きい委員会なんです。皆さんの仕事が増えるように頑張りますので、よろしく応援お願いします。

 ところで、弁護士会が設置している委員会って、各弁護士会で多少異なるんですが、大きく分けると、
1、日常業務と強く直結し、かつ取扱い分野とも関連性が強いもの
2、日常業務と直結するが、取扱い分野とは関連しないもの
3、弁護士会の権力機構と関係が深いもの
4、上記のいずれにも関連しないもの
になると思います。

 1の例としては、民暴委員会とか刑事弁護委員会、子どもの権利委員会などがあります。所属事務所がこれらの分野を取り扱っている場合は、とても参考で有益な委員会だと思います。
 ところで、大阪弁護士会には医療過誤委員会というのがあるのですが、残念ながら東京弁護士会にはありません。

 2の例としては、先に挙げた業務改革委員会や紛議調停委員会などがあります。紛議調停委員会っておもしろい委員会で、弁護士同士のもめ事や、弁護士と依頼者のトラブルを調停してくれるんです。
 これらの委員会は、法律事務所の取扱い分野に直結するものではありませんが、ボクら弁護士の業務への影響が大きい委員会と言えるでしょう。

 次に、3の例としては、綱紀委員会や非弁取締委員会などがあります。綱紀委員会は、非行をおかした弁護士を懲戒処分とするかどうかを決める委員会です。戒告だけではなく、会員弁護士に対して、業務停止や退会命令、除名などの処分も出せるというおっかない委員会です。おそらく、弁護士会の委員会の中で、最も権力性のある委員会と言えるでしょう。
 非弁取締委員会も同様に、権力作用が大きいです。弁護士が非弁活動を行うと、弁護士法72条に抵触します。刑事罰まで用意されていますのでご注意を!ちなみに、会員弁護士は、この委員会の取り調べを受忍すべき義務がありますので、同委員会の調査を拒絶することはできません。もちろん、黙秘権もありません。

 最後に、上記のいずれにも該当しない4の例としては、広報委員会とか財務委員会などがあります。この種の委員会に興味を持つかどうかは各弁護士の趣味の問題ですかね。