弁護士 金﨑 浩之 

 昨日、”朝まで生テレビ”を久しぶりに視たのですが、都議選がテーマになっていました。

 番組は、候補者の公開討論会にしたかったそうですが、細川さんが拒否したため、個別インタビューになったそうです。

 選挙戦術として、公開討論は自分に不利になる、と考えたんでしょうかね。それとも、討論が苦手なのか…。
 いずれにしても、泡沫候補者の不参加なら兎も角、細川さんが不参加では公開討論にならないと思います。でもどうなんですかねえ。公開討論会を拒否するなんて、政治家としてどうかと思います。
 ちゃんと公の場で議論できない人は政治家として不適任だと思います。都知事候補以前の問題です。
 でも、この人、元総理大臣なんですよね。残念です。

 ということで、田原総一郎さんが各候補者に単独インタビューを行うという形式になってしまったんですが、全体的な感想として、

 多くの候補者が語っていたのは、都政の問題というよりは、国政のアジェンダでした。
 そう言えば、歴代の候補者はみんな国政のテーマで都知事選を戦ってきましたよね。
 古くは美濃部さんが”Stop the Sato!”を掲げて大量得票して都知事になったことがありましたが、あのときの首相は佐藤栄作さんです。
 東京ってそういう街なんですね。意識が高いんだか何なんだか…。

 我が日弁連の元会長の宇都宮先生なんか、思い切り左翼張りの政治哲学を語っておられました。
 小泉さん時代の政策に引き続き、アベノミクスは、企業を幸せにし、労働者を奴隷にするものだそうです。ということで、アベノミクスの批判をされておりましたが、これも国政の問題であり、都知事が扱うテーマではありません。

 原発問題も議論されておりましたが、これも国政問題です。
 確かに、原発事故は東京都民の生命と生活に影響を及ぼしますが、だからと言って、都知事が決められることではありません。国のエネルギー問題ですから。

 こうしてみると、東京都って、何も問題ないのかも…。

 そう言えば、ボクなんか東京生まれの東京育ちで、50年近く東京で生活してきましたが、東京に不満なんて特にありません。なので、東京から離れたいなんて思いませんよ。
 たぶん、同じ心境の東京都民って、けっこう多いのではないか、と思います。

 だから、国政のアジェンダで都知事選で当選できちゃうんです。

 東京にはインテリが集まってますから、都知事選といえども、天下国家を論じたいんでしょうね。

 ということで、誰に投票すればいいのか、益々分からなくなってしまった討論番組でした。