弁護士 金﨑 浩之 

 昨年末に、弁護士法人ALG・インテリジェンスの社長に、探偵業の届出をしてもらうために、所轄の警察署に行ってもらいました。

 平成16年度に探偵業界を取り締まるために探偵業法が制定されたことは前回のブログにも書きましたが、許可制にしてしまうと規制として強すぎるのと、警察自体がこの業界の実態を把握できていないという事情から、一旦は届出制となったそうです(将来的に許可制に変わる可能性はあります)。

 ということで、うちのインテリジェンスも探偵業を開始するということで届出をしたんですが、その時に、うちの社長が警察からこんなことを言われたそうです。

 「大変な業界だよ…」

 何が大変かというと、探偵業法が出来たとは言うものの、この法律に違反する業者が続出しており、処分例がたくさんあるそうなのですが、その法律違反発覚の経緯のほとんどが”同業者のチクリ”だそうです。

 探偵業法では、お客様とのトラブル防止のため、契約書などの重要書類の作成義務が課されており、記載内容も法律で決められております。
 したがって、これに違反すると処分を受けることになるのですが、違反に関する情報が同業者から寄せられているそうなんです。

 ということは、同業他社の関係者がお客になりすまして入り込んでいるということですよね。普通、同業他社の契約書なんて入手できませんからね。

 うちとしては、法律違反を犯す予定は全くありませんので、その点は気にならないのですが、お客になりすましている他社のスパイを相手に接客しなければならないことが面倒ですよね。
 正直、偽計による業務妨害に該当すると思います。

 いや~、思った通り、大変な業界に参入してしまったなと思いました。

 でも、ボクに言わせれば、これも想定内です。

 そもそも問題がある業界だから、安心してクライアントに紹介できなかったわけで、それが探偵会社設立の主たる動機だったわけですから。

 この業界を浄化して、安心して利用できる業界にすることが最終目標ですから、この程度のことにめげずに頑張ります。