弁護士 金﨑 浩之 

 昨年末に調査会社を設立し、今年の2月から本格稼働です。

 今、ホームページを作成中です。

 会社の名前は、株式会社弁護士法人ALG・インテリジェンスです。主に、浮気調査を中心とした調査会社です。

 この会社は、ボクが弁護士として離婚事件にかかわってきた結果、その必要性から生まれました。

 離婚事件を手がけていると、どうしても調査会社との接点が出てきます。浮気の慰謝料請求や離婚訴訟はボクら弁護士の仕事ですが、浮気の証拠をおさえるのは調査会社の仕事だからです。

 離婚の相談でよくあることなのですが、浮気の決定的証拠が欠けている場合、ボクら弁護士は、相談者に、「どこかの調査会社に依頼して、浮気の証拠をおさえてきてください」とアドバイスすることがあります。

 そんなとき、よく相談者から逆に、「どこかよい調査会社を知りませんか?知っていたら紹介してください」と頼まれるんです。

 ところが、この調査会社の業界って、とても怪しいんですね。

 いままでこの業界を取り締まる法律が存在せず、顧客とのトラブルが多い”いわくつきの業界”だったんです。
 金銭トラブルのみならず、違法な手段による調査や、ひどいケースでは、取得した浮気の証拠を使って恐喝事件を起こしたりなど…。

 そのような経緯から、平成16年にこの業界を取り締まるために、探偵業法が成立したんです。
 取り締まる公的機関は、なんと都道府県の公安委員会、つまり警察なんです。

 そういう業界なので、安心して相談者や依頼者に紹介できる調査会社がなくて困っていたんです。
 下手に紹介して、その調査会社と相談者がトラブルになったら、こちらまで巻き込まれてしまいます。

 なので、相談者から調査会社の紹介を頼まれたとき、決まってうちの弁護士法人の回答は、「ご自身で探してください。」でした。相談者としては、弁護士なのだから、当然懇意にしている調査会社があるはずだ、と思っているようです。
 また、どこの調査会社が安心できるのかも相談者には分かりません。その点、弁護士であれば、調査会社の善し悪しに関する情報も持っているはずだと…。

 しかし、ボクに言わせれば、そんなこと分からない。

 というか、大手も含め、全部怪しく見えるんです。だから、調査会社を紹介するということは基本的にやらないことにしていました。

 ところが、最近、法律事務所でも調査会社と提携を結んだり、顧問弁護士として調査会社のホームページに掲載されるなど、調査会社との関係強化を図る弁護士が増えてきたんです。

 そこで、時代の流れに乗り遅れてはと、うちの弁護士法人も大手の調査会社を数社事務所に呼んでヒヤリングを行いました。約2年前のことです。

 しかし、大手といえどもやっぱり怪しかったです。

 ならば、自分たちで作っちゃおう!

 ということで誕生したのが、弁護士法人ALG・インテリジェンスなんです。

 弁護士法人ALG・インテリジェンスは、我が弁護士法人ALG&Associatesの傘下にあるグループ企業です。

 うちの弁護士法人のコントロール下にあるので、違法な調査を行わないように管理できます。コンプライアンス経営バッチリです。
 また、お客様とのトラブルを起こさないように健全な経営を実現することも可能で、サービスの質も向上させられます。

 そして、何よりもこの会社の大きな目標は、業界全体のレベルを底上げすること。
 他の調査会社も、うちとの競争で生き残っていくためには、それに耐えうる会社に成長しなければならなくなります。
 他の調査会社の模範となれるような調査会社を目指しています。

 そうすれば、結果的に、業界全体のレベルが上がり、みんなが安心して調査会社を利用できる、そんな世の中が実現できる、と思っています。

 そこで、具体的には、取締役会の設置は当然として、弁護士法人ALG・インテリジェンスでは、監査役会も設置しました。
 これは、いわゆる探偵業を営む調査会社としては異例のことです。

 ボクが調べた限り、今日の時点で、大手も含め、監査役会を設置している調査会社は皆無でした。

 監査役会は、取締役の経営を監視する機関です。

 そして、この監査役会のメンバーである監査役には弁護士や公認会計士が名前を連ねております。
 法務・財務の両面からバッチリ監査です。

 要するに、設立当初から大企業並みのコーポレート・ガバナンスを実現したいんです。

 ボクもこの会社の監査役になっております。

 絶対に、この会社を一流企業に育てたいです。いや、育てて見せます。