「君主は、人民よりも自己の欲望に負けやすい。
誤った人民を説得するよりも、誤った君主を説得するほうが難しい。
人民が乱暴するのは公共の福祉を損ねた者に対してであり、君主が乱暴するのは自己の利益を損ねた者に対してである。
人民により選出された支配者に対しては批判しやすいが、君主を批判するには非常な危険を覚悟しなければならない。
したがって、国は、君主よりも人民に支配を任せたほうが良いようである。」
ー ニコロ・マキャベリ
これは、『君主論』で有名なマキャベリの言葉です。
狐のような狡猾さと獅子のような勇猛さを兼ね備えた君主による国家統治の必要性を説いていたマキャベリが、こんなことを言ってるんですね。
マキャベリというと、どうしても君主論のイメージが強いので、君主制を推奨しているように誤解されがちなのですが、実は、根っからの共和主義者です。
あくまでも、君主の強力なリーダーシップを必要とするのは、有事の際なんです。マキャベリが君主論を説いたのも、イタリアの戦国乱世の時代です。
マキャベリが共和主義者であることは、彼の著書『政略論』を読むとよくわかります。
違った角度からの”マキャベリズム”を知ることができます。