知ってますか?
また、政府がバカバカしいことに時間を費やしているので読者の皆さんに報告します。
この度、消費税が5%から8%に増税されることは皆さんご存じですよね。今回の増税では、3%消費税があがるんですね。
そこで、増税分の負担を消費者に負わせないために、様々な事業者が、この3%の増税分を還元、つまり3%の値下げをします、というセールを始めたんです。
それに政府が待ったをかけたんです。それが、今回検討されている”消費税還元セール禁止法案”です。
3%値下げしたって、事業者は消費税をちゃんと払うんだから、政府は困らないはず。
でも、政府は、セールの名前を”3%値下げセール”にするのなら、好ましくはないがぎりぎりセーフ、みたいな見解を出しているんです。
”消費税還元セール”としようが、”3%値下げセール”としようが、実質は同じはず。事業者が3%値下げすることにかわりはありません。
この消費税還元セール禁止法案の狙いは何でしょうか?ちょっと不思議な法案ですよね。実は、今回の法案だけ眺めていても、その意図はわかりません。これを理解するためには、外税方式が禁止され、内税方式が義務づけられていることと併せ考える必要があります。
ご存じの通り、消費税の表示は”内税方式”でないといけません。
内税方式とは、例えば1000円の商品の価格表示は、税率が5%の場合、
10050円
としなければならない、ということです。
これに対し、外税方式だと、例えば
1000円(消費税50円)
というような表示になるわけです。
何が違うかというと、外税方式だと商品の価格と税額が明確になるのに対し、内税方式だと価格のうちいくらが税金かが分かりにくい点です。
事業者からそれば、「この商品は1000円なんです。1050円のうちの50円はあくまでも税金なんですよ。値上げじゃないんです」、と消費者に説明したい。だから、外税方式で表示したいんです。
でも、そうすると、消費者は、1000円の商品を購入するたびに、この50円という税金の負担をいつも感じることになる。「50円も税金払わされているのか…。むかつくな…」となってしまう。そ不満や批判の矛先は、当然ながら政府に向かいます。
では、それを避けるにはどうすればいいか。そうです。”内税”にしてしまえばいいんです。
1050円と表示されると、それが商品の価格に見えてくる。少なくとも、いくらの税金を支払っているのか分かりにくくなります。
これが内税方式の義務化の狙いなんですね!
さて、ここで冒頭の”消費税還元セール禁止法案”の話に戻ります。
このセールをやられてしまうと、消費者が増税分相当額が還元される度に、「そうか。このお金が今回の増税でオレたちが負担することになってしまった税金なんだな。セールが終わったら、これはオレたちが払うのか…」、となってしまう。
そうなってしまうと、せっかく内税方式にして税額を分かりにくくしたのに意味ないじゃないか、ということで、政府としては、このようなセールはやめてほしいわけです。
では、”3%還元セール”という表示が、なぜ政府にとって手放しで喜べる表示方法ではなく、ぎりぎりセーフみたいなニュアンスになるのでしょうか。
そもそも3%値下げしようが、4%値下げしようが、そんなことは事業者の勝手で、政府には関係がないことです。別に消費税を還元しているわけではなく、単に3%値下げしているだけですから。
でも、今回の増税で3%消費税が上がったことを国民は知っています。
そこで、このタイミングで3%の値下げセールなんかやられると、「それって、要するに増税分の値下げだよね」と消費者が気づく。だから、政府としては、このような表示も芳しくないわけです。
でも、どこにも”消費税還元”なんて書いてないし、3%の値下げが消費税の増税分ですなんて説明していない。なので、政府としても、「絶対ダメ!」とは言いにくい。ということで、ぎりぎり容認する、みたいなニュアンスになるわけです。
どうしても政府としては、納税額を消費者に分かりにくくしたいんですね。
政府って、こんなバカバカしいことに、頭と知恵を絞り、時間を費やしているんですよ。