石原慎太郎さんが、東京都知事を辞任しました。

 次期総選挙をにらんで、石原新党を立ち上げるそうです。

 石原さんの戦術は、次の総選挙で勝つために、橋下さん率いる維新の会、みんなの党の3党で選挙協力を結び、政権を奪ろうということらしいです。

 ここでまた、いつものように政治が分かりにくくなってきました。

 この3党は、消費税や原発などの問題をめぐって、政策面で対立しています。このように、基本政策が異なる政党同士が組むときに好まれて使われる言葉があります。すなわち、

      ”小異を捨てて大同につく”

 この中国の故事の正確な訳は、

      ”小異を残して大同につく”

だという見解もありますが、捨てようが残そうがそんなものは言葉のレトリックにすぎません。

 確かに、憲法改正や、自衛隊、日米安保、領土問題をより重要な政治マターだと考えている石原さんからみれば、消費税や原発など”小異”にすぎないといういことになるかもしれません。
 それも一理あります。

 でも、消費税や原発が国民生活に直結する政治マターであることも事実で、国民の生活感からすれば、憲法改正や領土問題よりも消費税や原発のほうが関心事だとも言えるでしょう。少なくとも、消費税や原発を”小異”と言い切ってよいものか…。
 これも正論だと思います。

 いずれにせよ、投票する有権者からすると、支持して良いのか悪いのか、非常に分かりにくい選択肢になるであろうことは容易に想像がつきます。

 また、マニフェストも実際どうやって作るのか…。選挙協力とは言うものの、課題は小さくありません。
 今の選挙はマニフェストで戦う時代ですから。

 それにしても、橋下さん、石原さんたちと本当に手を組むんですかねえ。

 もし手を組めば、橋下さんの総理大臣はなくなると思います。

 そして、結局、いつものように政策よりも権力闘争の渦に巻き込まれ、橋下さんの存在感や期待感も薄れ、フツーの男だった、ということになると思います。

 楽しみにしていたのになあ…。